入院初日。手術説明。
入院初日。
私の担当の先生は急きょ緊急オペに入ることになり、明日の手術説明は別の先生が担当することになりました。
まず、今回の病気と手術に関してどこまで理解しているか、を聞かれたものの、返答に困ってしまいました。
というのは、手術の説明は自分一人で聞けばいいのかと思っていたのに、家族の同席が必須と言われ、母が一緒に聞いていたから。
これまでの外来での診察や検査に関しては全て自分一人で対応していたため、家族には病気に関してもできるだけ大事に聞こえないような話し方をしていました。
つまりは「がん」という単語を使わない様気を付けていたのです。
普段医療現場で仕事をし、がんという言葉が日常に飛び交っている私でも、今回自分の身体が「がん」という単語と関わることになり少なからずショックがあって。
これが普段医療現場に関わっていない人が聞いたら、そのショックは想像以上だと思ったからです。
なので、事前に提出していた入院準備のための問診票には、
「病気・治療に関しての具体的な話については、自分がまず一人で話を聞きたい。」
「その上で家族にどう話していくかを考えて決めたい。」
そう書いていたのですが・・・
代理で話をしてくれた先生は、ある意味気持ちがいいくらいずばずばとストレートな単語を使い、現在の病状、手術の危険性及び併発症、手術をしなかった場合の危険性などを淡々と説明していき、
事前の問診票記入したのは何の意味があったのか・・・と思うくらい、記入した内容を全く参考にされず、手術説明が終わりました(笑)
これがもし、担当の先生だったのであれば話し方は違っていたのかな?
別の先生になったから問診票の内容までは知らなかったのだろうか。
それとも知ってたうえでの今回の説明だったのだろうか。
ここでちょっと視点を変えて、医療現場側から考えると、
今はとてもデリケートな時代なので、病院側がよかれと思っての「配慮」を、患者様側に「不足」としてマイナスにとらえられてしまうことが少なくありません。
なのでトラブルを回避するため、時には「今そこまで話さなくても」という内容までも説明を進めておくことが多いのです。
今回の説明も、これに沿った進め方だったのかな、と思えばまぁ納得はできるのですが。
全部内容をわかっていた私でさえ、改めてこういった説明をされて少しショックにも似た不安な状態になったというのに、
初めて聞かされた母は、そんな様子は見せなかったもののきっともっとずっとショックだっただろうな、と。
これだったら、事前の話し方を少し変えておけばよかったなぁと。
ほんとに申し訳なかったです。
そんなこんなで明日はいよいよ手術。
栄養士さんが考えてくださった夕食をしっかり全部いただき、21時に消灯。
その夜は枕が固くて寝づらいことと、やはり無意識に緊張をしているのか、なかなか寝付けませんでしたが、
どうせ明日は麻酔をして手術して一日寝るのが仕事になるから眠れなかったとしてもまぁいいや、と思いながら。
目だけは閉じておいて、うとうととした感じで入院初日の夜を過ごしました。
術前検査(患者視点)
入院手術の日程が決まり、その前にまず術前検査を一通り受けることに。
今回受けた主な検査は、
採血、レントゲン、腹部エコー、心電図。
尿検査もあったのですが、ちょうど生理になってしまい、省略してよいということになりました。
そして麻酔科診察と最後に婦人科診察。
採血は腫瘍マーカーや感染症検査などなど、項目がとても多かったためスピッツ6本とりました。
さすがに最後の方は少し気分が悪くなりました・・・
それでも、腹部エコーやレントゲン、心電図などを、自分が勤めている病院以外で受けるのは初めてのことで、
心電図の時に、検査をする技師さんは計測時にカーテンを挟んだ向こう側にいるよう機械が配置されており、緊張をさせないための工夫がいいなと思ったり、
腹部エコーをする技師さんが、検査を始める前に名札を見せながら自己紹介をされ、これも暗い部屋で一対一になることへの不安を軽減するためかなと思ったり、
麻酔科診察をするまでに約40分待ったのですが、採血結果が全て揃うまで待っていたようで、それなら一言その旨を伝えておいてくれた方が助かったのになぁと思ったり、
純粋に「患者視点で病院を見る」ことができ、これは仕事をするうえでとても貴重な経験ができたなと思っています。
朝9時から始まった検査。全て終了したのは14時。
検査があったので朝から絶食で、しかもこの日はちょうど生理痛が一番きついタイミング・・・外来は混んでいたし、婦人科は妊婦さんが多いため座るのは妊婦さん優先。
待っている間ずっと立ちっぱなしになってしまったことが一番辛かったです。
最後の婦人科診察の時に先生が、「具合はどうですか?」と聞かれたところに思わず、
「生理痛でとっても辛かったです」と少しずれた返答(笑)でもこの時の一番素直な気持ちを言っていました。
仕事中に患者様が、
「いやー今日は病院に行くのが一日仕事だったよ(カラッと笑いながら)」
とよく話されていますが、今日の私は
「いやー・・・今日は病院に行くのが一日仕事だったよ(ゲッソリ)」
でした。
自分が仕事をしているときは、今まで以上に待ち時間を少しでも短くできるように努力しよう。
そう思った一日でした。
総合病院へ紹介
コルポ生検の結果を聞き、総合病院の紹介状をいただいた私は、その日のうちに診察予約の電話を入れました。
しかし初診の方は診察時間が決まっており、一番早くて約1か月後との返事でした。
そんなに待たなくてはいけないのか、その間に病状が進んでしまったらどうしよう。
不安に思い、やきもきとした気持ちを抱えていたものの、
自分も普段は医療現場に勤めていることもあり、病院内部の事情はよくわかっていたので、なんとか自分の気持ちに折り合いをつけ、診察予約を入れてその日は終りました。
そもそも自分がもっと早く検診結果を聞きに行っていれば、今頃は全ての治療が終わってほっとした気持ちで過ごしていたかもしれない。
その前に、ここまで悪い結果にはなっていなかったかもしれない。
不安な気持ちは、マイナス思考に拍車をかけますーー;
それでも、体調のほうは検診を受ける前後で全く変わらず問題なく、何の自覚症状もなく過ごしていました。
そして総合病院での診察初日。
円錐切除術を受けるにあたり、術前検査と手術の日程を決めることになりました。
ここでちょっとした予想外の出来事が。
前クリニックの話では、円錐切除術は1泊2日で受けられる手術ですと聞いていましたが、今回お世話になる病院では3泊4日必要とのこと。
思っていたより長く仕事を休まなくてはいけないことがわかり、びっくり。
自分の職場はなかなか代わりがきかない環境のため、仕事の調整が少し大変でした。
あとで調べてみたところ、入院期間はその病院によってさまざまのようです。
日程の調整が難しい方は、紹介先の病院を決める際に、その病院では円錐切除術での入院期間はどれくらいなのか、事前に確認しておいたほうがよいかもしれません。
ともあれ、術前検査は10日後、その1週間後に手術と日程が決定。
思ったより早めに手術を受けられることになり、少しほっとしました。
コルポ生検とその結果
市の子宮がん検診結果がHSILとなり、次段階の検査である「コルポ生検」をすることになりました。
まずは先生から生検についての説明、生検をした後にどのような結果がでるのか、の説明があり、さらにその結果が悪かった場合に次に考えなくてはならない検査や治療の話を受けました。
もうこの段階で、心の中ではかなり動揺・・
ちょうど結果を聞きに行った日の外来が空いており、通常は改めて予約をとって検査を受けるようなのですが、今回はそのまま生検を受けることができました。
生検についての詳細は、様々な医療情報ページに掲載されていますので省略します。
検査は小さなスプーン状の器具で子宮頚部の組織を小さく削り取りますので、その際に痛みがありましたが、思ったより強い痛みではありませんでした。
検査にかかった時間も診察台にあがって3分かからない程度だったと思います。
その後の出血もおりものに少し血が混ざる程度で、痛みも残らずその日のうちに色も気にならなくなりました。
結果が出るのは2週間後とのこと。
これでまた悪い結果が出てしまったら・・・さすがに不安な気持ちが大きくなりました。
ここで私は初めて、子宮頸がんについて、検査について、結果についてなどいろいろなことを調べるようになりました。
情報が集まっていくにつれ、自分がこの分野に関して如何に無知であったかを痛感しました。
これは余談ですが、私も含めて医療現場でお勤めの方ほど、検診に無頓着な傾向にある気がします。
普段は来院された患者様に、検診は受けてくださいねとか、大事ですよねといったお話をしているのに、まさに「医者の不養生」ならぬ「パラメディカルの不養生」です・・
なので、医療現場にお勤めの方に特に強くお伝えしたいです。
自分たちも「きちんとした」検診を受けにいきましょう!!
話を戻し。
色々と調べ、今まで知らなかったことがわかってくると同時に、7か月も検診結果を聴きにくることを放置してしまったことをとても後悔しました。
どうか悪い結果になりませんように・・・と祈るばかりの2週間でした。
そして結果診察の日。
検査の結果は「CIN3」
コルポ生検の中でも一番悪い結果が出てしまいました。
次に必要な検査及び治療は「子宮頚部円錐切除術」
今いるクリニックではこれ以上の検査はできないため、近くの総合病院に紹介されることになりました。
子宮頸がん検診を受けるまで、とその結果
残暑の厳しい8月後半。
市の子宮頚がん検診を受けたのはその日が初めてでした。
私は普段パラメディカルとして医療現場に勤めていますが、仕事先に新しい超音波検査装置のデモ機が導入され、その被験者(モデル)になりました。
そこでたまたま子宮筋腫と思われる小さな腫瘍を指摘され、一度しっかりと調べてもらおうと思い婦人科を受診。
どうせ婦人科に行くならついでに、毎年封も開けないまま期限が切れていた、市の子宮頸がん検診も一緒に受けてみよう、と軽い気持ちで受けにいったことがきっかけでした。
私の勤め先には婦人科がなく、処置をしっかり見たことも、もちろん自分が検査を経験したこともなく。
検査は痛いのかな?とか多少の不安がありましたが、ブラシで少し子宮頚部の表面をこすり細胞を取るだけであっというまに終了、特に痛みはありませんでした。
私の場合はむしろ、クスコ(子宮を観察するために挿入する器具)が入った時のほうがちょっと痛かったです。
経腟エコーもしてもらい、その日のうちに腫瘍は小さな子宮筋腫で心配なし、との診断を受けました。
ほっとした私は子宮頸がん検診のほうも問題ないだろうと勝手に自己判断をし、検診の結果を聞かないまま放置してしまいました。
これは私が今回一番猛省するべき点です・・・
年が変わり、3月の年度末になり、検診結果を聞きに来ていない患者のチェックをしてくれたのでしょうか。
検診を受けたクリニックから電話が入り、検査から約7か月後に結果を聞きにいくことになりました。
結果は「HSIL。要精密検査」
思ってもいなかった悪い結果にただ驚くばかりでした。
はじめに
はじめまして、ご訪問ありがとうございます^^
このブログを開設しようと思ったきっかけは、自分が経験した病気=子宮頚部上皮内がんについて、その情報を必要としている方の一助になれば、という思いからでした。
治療をしていた当時は、検査、入院、手術のことを色々と調べましたが、検査内容や病期分類などの情報は得られたものの、実際に経験した方々の生活に即した「声」の情報がほとんど得られませんでした。
そんな中、ご自身の経験を綴ったとある個人ブログにたどり着き、自分が知りたかった生の「声」を聴くことができ、不安を抱えていた私の心を励ます力になってくれました。
もうそのブログがどこにあるのか・・・とにかく無作為に調べていたのでわからなくなってしまいましたが、
自分の病気が一段落ついた際には、お礼の意味も含めて私自身も自分の経験を文章に残そう。そう思っていました。
次ページからは、初めて受けた子宮頸がん検診、コルポ生検、子宮円錐切除術、そして子宮頚部上皮内がんの診断がつくまでについて、その間に自分の経験したことや感じたこと、自分の思いを混ぜながら書いて行きたいと思います。
また一段落しましたら、その後の経過についてや、病気とはまた違う私の日常の1ページなども少しずつ綴ってみたいと思っています。
普段文章を書く機会がほとんどないため、読みづらいところもあるかと思いますが、
このブログの内容が同じように不安を抱え情報を必要としている方へ、
ひとひらの花びらのように、ほんの小さな力としてでもお役に立てば幸いです^^